金町から歩き始めて、江戸のお囃子の発祥地と言われる葛西神社に詣でて、江戸川を葛飾橋で渡り松戸宿へ。

葛西というと江戸川区だが、葛飾区は近世まで江戸川区の付近と合わせて葛西と言われていたのでややこしい。
葛西神社は土地の豪族葛西三郎清重が建立と言われているが、地名から名をとったようで地名が早い。
松戸宿には古い建物もちらほらと。

馬橋の萬満寺。
重文の仁王があり、この寺へ行くために街道の道筋が曲がっているが、明治時代、常磐線の機関車の煤火で主な建物が焼失という少し悲しい歴史も。
小金宿では、もと虚無僧で有名な普化宗の関東総本山の一月寺。
今は日蓮正宗に衣替えして、跡形も無く消え行く歴史。


又お寺、東漸寺。
浄土宗関東十八壇林の一つで、赴きある参道の佇まいで、紅葉のころはさぞやと思わせる。
本堂前に鶴亀の松、鶴は枯れたそうだが亀は健在。
下屋が道まで張り出している、旅籠の玉屋は千本格子が美しい。



道は北小金駅前の前で大きく曲がるが、これも昔は名刹があってそれに立ち寄る為の道曲がり。
いまは大型ショッピングセンターが作られて跡形も無く、歩道に水戸道中の碑のみが、埋もれていた。

紫陽花と花菖蒲で有名な本土寺に脚を伸ばす。
昨年亡くなった住職の河上日順上人が、「寶樹花果多くして、衆生の遊楽する所なり」を実現する為、荒れ果てていた寺にモミジと紫陽花を植え続け一代で、紅葉と花の寺に作り変えた。
花菖蒲は終わりかけていたが、紫陽花はしっとりとした空気の中に七変化の色を味わわせてくれた。
花の色の裏側には、花を通じて何かを伝えたい人の心が見えているようだ。



一本道を辿り、今は大都会となった柏宿で旅を終える。