2011年12月22日

瀧坂道

瀧坂道は甲州中出道とも言われ、大山街道の渋谷道元坂から、甲州街道の仙川先の瀧坂までの短い街道で、甲州街道が開かれる前は江戸と府中を結ぶ道の一部とされていた。

道玄坂の交番の横の道を入って、円山町のラブホテル街を横目に神泉に下る。
霊泉が湧いたので、神泉という地名だがこの泉は今は見当たらない。

今度は上り坂で、旧山手通りを越え、山手通りに出る手前に石橋供養塔がある。
もともとは埋め立てられた三田用水の橋に袂に建っていた。
これが瀧坂道最初の史跡。

20111222石橋供養塔s-.jpg


山手通りを越え、不連続に松見坂から淡島通りに入る。
この辺は東大の駒場キャンパスの傍のせいか、都立駒場高校、駒場東邦高校、筑波大付属駒場高校など一昔前の受験名門校が集まっているが、今はどうだろうか。

20111222都立駒場高校s-.jpg


僅かに残る淡島通り旧道に日本廻國供養之石塔や庚申塔が建っていて、旧道の風情を示している。

20111222庚申塔s-.jpg


水の宿る地として「水宿」が三宿になったという三宿を過ぎて代沢十字路を越える。
その先に鎌倉街道といわれる道がある。変哲もないが、少し北に行くと鎌倉橋があるので数ある鎌倉街道の一つには違いない。残念ながら通った記憶がない。

街道は環七で分断され、その先に、民主党の大臣で物議をかもした山岡賢次の家があった。

20111222鎌倉街道s-.jpg  20111222山岡賢次邸s-.jpg


豪徳寺、経堂と抜ける。
豪徳寺付近はもう一つの鎌倉街道中道が通っていてこちらは歩いているが、瀧坂道とどこで交差したのか定かでない。
豪徳寺は招き猫の発祥の地なので、駅前商店街にも、ゆるキャラの幟が立っている。

経堂小学校の門には、あれも禁止、これもダメと立ち入りを禁ずる醜いありとあらゆる標識が貼られていた。
街道筋のこんな光景からも、今の日本の管理教育の様相が伺えた。

20111222豪徳寺商店街幟s-.jpg  20111222経堂小学校s-.jpg


八幡山の八幡神社に立ち寄る。
勿論八幡山の地名の由来となった神社だが、思いのほか小ぶりな感を受ける。
説明坂に「創立年月並びに古代由緒沿革等未詳なれど古老口碑また地名等より古社と推定さる。」とある。
かなり小さい神社でも由緒来歴はしっかりしているところが多いが、これは意外だった。

20111222八幡神社s-.jpg


環八を渡ると、右手に蘆花恒春園がある。
芦花公園といえば、駅名になっているほど有名だが蘆花恒春園は一度も訪れた事がなく、立ち寄ってみた。

不如帰も読んだことはないが、全て徳富蘆花の御夫人が寄付されたという広大な敷地と、旧居は美しく維持されていて、蘆花夫妻の墓地もあり遅い紅葉の中の光景は心が洗われる。
建物内部も綺麗に維持されていて、和洋折衷の住まい方を確認できるのも興味深い。

「『蘆の花は見所とてもなく』と清少納言は書きぬ。然もその見所なきを余は却って愛するなり」と語った本人の心は、ひっそりとした建物が問わず語りに語っていた

20111222蘆花恒春園2s-.jpg  20111222蘆花恒春園1s-.jpg  20111222徳富蘆花墓-.jpg

20111222蘆花邸内部s-.jpg


少し先に、都立芦花高等学校がある。シャープで気になる外観で、後日調べると早川邦彦氏の設計だった。
直ぐ傍の千歳清掃工場も彼の設計で、この辺には作品が多い。
まだ元気に、住宅設計を中心に手がけているようだ。

20111222芦花高校s-.jpg


歩道がなく危険な安穏寺坂の途中に、アプローチだけ見栄えのする一見武家屋敷風の安穏寺があるが、ここも以前は荒れ果てていたらしく、詳細は不明と。しかし「せたがや百景」に選ばれている。

仙川を越えて、上祖師谷神明社境内に石橋供養塔がある。この街道二つ目。

20111222安穏寺s-.jpg  20111222石橋供養塔s-.jpg


調布市に入る手前に、街道沿いに無残に寸胴切りされて剪定された欅の並木跡がある。
根元から伐採されていないのが救いだが、もう少し剪定の仕方があろう筈と思いつつ通り過ぎる。

20111225欅寸胴切りs-.jpg


京王線を越え甲州街道と合流すると瀧坂道は終わる。
甲州街道を少し下ると旧道の瀧坂となり、瀧坂旧道・馬宿川口屋の真新しい石碑がある。甲州街道を歩いた時は余り気にも留めなかった石碑だ。

20111222瀧坂旧道碑s-.jpg


坂を下りきって、2011年の冬至の短い日もとっぷりと暮れ、歩きを終えた。
何故冬至の日に歩く理由があったのか訝しく思うのだが、年の収めの短い街道歩きではあった。

20111222瀧坂終点s-.jpg


posted by 遊戯人 at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 瀧坂道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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